|  | 今日もスタートは東風(10kt)、昨日よりもしっかりと吹いている。 でも、昨日よりもさらに渋い…特に、4,000ft以下のコンディションが安定しない。いたるところで上がり損ねた機体がちょろちょろしている^^;
 やはり最初、難儀する…。
 こういう時はレースよろしく集団行動と決め込み、マッケンジー盆地を脱出するまでガグルワークに精を出す。
 上がり始めてからはStd.Libelleとの一騎打ち、抜きつ抜かれつのデッドヒートの末競り勝つ!^^v
 
 その頃には滑空場20km西のSnowy Top(Mt.Magicの北の山)で7,500ftに達し、Gavinさんとの合流を待つ。
 
 ほどなくジョインして、西へ向かってスタート。
 今日のタスクはMt.Aspiring~Mt.Cookの400km△。
 順調に進む。
 
 脊梁山脈の西側は海風が入り込み、コンバージェンスコンディションを形成している。高気圧の張り出しに伴い、上層は南西風が卓越し始め、リッジランには適した風向になりつつある。(北半球は気圧の谷の通過で北西風、南半球は南西風雅フレッシュな空気の風向です)
 
 ハンターのリッジ、マッケローのリッジを試すが、どの南斜面及び西斜面のリッジサーマルもよく働いていて、快調に進んで行く。無線機の不調も回復(リード線の接触不良)、高度も下がらず心も穏やかにフライト。
 
 ほどなく、Siberiaエリアに突入し、複雑な状況となってくる。
 時にGavinさんの機体より早く上がり、ちょっと気分も良くなる^^
 
 今日もMt.Aspiringの西斜面に行くという。
 どう見ても西側の海風が2,000m級の山並みを乗り越えているように見える。
 大丈夫かなぁ…一抹の不安。
 
 でも、その心配はいらなかった…。
 Mt.Aspiringに続く標高のひときわ高いリッジに取り付くのに失敗し、高度を下げてしまう…。
 東側の少し低い東西のリッジに逃げる。
 タイミングが悪いのか、リッジオンしていても高度が下がり、やがてリッジより低くなり始める。
 
 一つ南の、積雲が発生し、陽のより当たっているリッジに乗り換えた。
 一応、高度は維持できる…と思っていたが、やはり下がる。
 ついに6,000ftを切った…。
 
 こんな時は仕方ない、谷にはまっていくことを先ずは覚悟しよう。
 なぁに、ほんの40km進めば谷の出口にでるさ。
 滑空場から60km、高い勉強代(リトリブ料)だ。
 なんてことを考えつつ、腰を入れて上がりなおすポイントを定める。
 
 日射、風、斜面をなめている時の空気の動きをミックスして、低いサブリッジがあり、出っ張った壁面を選んだ。
 ようやく、高度の下がるのが止まった。
 もちろん、8の字旋回しかできない…弱いプラスで上がっても、旋回したら薄いリッジサーマル層を出てしまい、稼いだ分がチャラになる。
 こんなことを繰り返しながら、ブローが上がってくるのをひたすら待つ。
 
 と、来た~!^^v
 低いサブリッジを離れたサーマルが上がってきた。
 起死回生の4kt。
 ひたすら高度を上げる。
 
 東にある南北のリッジには積雲が頻繁に発生しており、そこに取り付けば間違いなく元の高度に回復できる…ひたすら弱いサーマルにしがみつき、高度を稼ぐ。
 しばらくして、東のリッジに乗り移れる高度を得た。
 すかさず、谷を渡ってオンリッジ!
 6-10ktサーマルであっという間に高度回復、ホッ^^(トータル約20分のロス)
 
 Gavinさんは既にMt.Aspiringの西側リッジを進み始めている。
 仕方なく、単機で東側リッジを進む。
 こちら側はスタンダードコースなので多数の機体とすれ違い、ガグルを組む。
 
 ようやく、Mt.Aspiringの東側に到達。
 GavinさんチームのDuoは山の南壁でリッジソアリングを楽しんでいる^^;
 時間がないので、そこからまた西と東に分かれて、一路Mt.Cookを目指し北上を開始した。
 
 Siberiaで再度合流し、ともに進む。
 西から侵入した海風は高いリッジまで駆け上がり、そこに長いコンバージェンスラインを形成している。
 その際を高度を落とさずに進む…降りる川床以外、場所はない。すなわち、ヘリコプターリトリブだ^^;(機体保険に内包されているらしい。でも、保険料高いだろうなぁ)
 
 幸い、高いリッジの西側はリッジサーマルが良く働いているので、不安感は少ない。
 ただ、どう見てもMt.Cookの手前の山では、稜線を越えて湿った海の空気が滝雲になって谷へ落ち込んでいる。
 まさか、あそこを超えるなんて言わないだろうなぁ、でもGavinさんのことだから…と、そのことの方が頭をよぎる。
 まぁ、彼が行ったら僕はエスケープしよう、ルートはこう行ってああ行って、と上空からしっかりと逃げ道を確保する^^;
 
 南北に伸びるリッジは我々が進んでいるものを含め、3本。
 一番東のリッジ(Ben Ohau Range)の東側は、我々が進んでいる一番西側のリッジと同じく海風がリッジに乗り上げようとしている。
 今のところ、リッジサーマルの方が勝っていて、乗り越える様子はない。
 乗り越えてしまったら、万事休す…帰りも同じコースを辿らなければならない^^;
 
 やはり、Gavinさんと言えども雲の中には突っ込んでいかなかった^^
 大人しく、Ben Ohau Rangeをダッシュし始めた。
 もうここからはファイナルグライド。
 85km、8,000ft(オマラマのQNHは1,400ftなので6,600ftAGL)。
 コンバージェンスがミックスしたリッジランは快適そのもの!
 
 今日のフライトは340km、またしてもどっと疲れた一日でした^^
 
 写真上:西の脊梁山脈にかかるコンバージェンスライン。往きにはまりそうになった谷を眺める。深さ7,000ft。Lord of the Ringの撮影地の一つ。
 写真中:積雲がところどころに発生。9,000ft。基本はブルー。
 写真下:帰りのBen Ohau Range。コンバージェンス(カーテン雲)がリッジの際まで迫り、西側(右側)のリッジサーマル(上昇気流)が目に見える。
 
 
 
 
 
 
 
 
  
  
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